2019年2月8日金曜日

薬局での知らない世界

薬局での知らない世界





1、日時  2019118日(金)18001930
2、場所  豊島区地域活動交流センター(としま産業振興センターIKEBiz4F) 会議室
3、講座名 「薬局での知らない世界」
4、講師名  斎藤 由紀夫氏 
   合同会社 キャリアパフォーマンス 代表  
   薬系キャリアコンサルタント


5、講座内容
【薬局での7不思議】
  病院前に同じ名前の薬局がいくつもある
  病院内ではなく、敷地内に薬局ができている
  薬の価格は同じなのに、薬局によって薬代が違う
  先発品なのに後発品加算を請求されている
  同じ成分なのに先発品と後発品の価格が違う
  処方箋があるのに薬局で病名を聞かれる
  同じ薬をもらうのに医院に行かなければならない

【自己紹介】
斎藤由紀夫 1972~外資系製薬企業 入社
      2003~大学院心理学研究科 入学
      2005~「産業組織心理学」ゼミで修士課程修了 修士論文「就職内定ブルー」を執筆
      2004~薬科大学 入職 東京薬科大学で学生カウンセリング キャリアセンター長を11
      2015~合同会社「キャリアパフォーマンス」設立  薬系キャリアコンサルタントとして、
         薬学生と薬業界をつなぐキャリア・就職支援活動を推進
【「計画された偶発性」理論 ジョン D クランボルツ(米国スタンフォード大学教授)
キャリアの80%は偶然の出来事によって形成されている。予期せぬ出来事が、キャリア上の出来事を創り出している。一人ひとりのキャリアは、偶発的で予期されないような出来事をうまく活用して形成されてくる。という考え方。
誰もが、「計画された偶然の出来事」に遭遇する可能性は高く、その出来事を力に換えていくのは、本人の主体性と努力によるものである。その成功をつかむための偶然を必然化する行動と思考の特徴は以下の5つで、これらは習得できるものとされている。
  ・好奇心 ・こだわり/持続性 ・柔軟性 ・楽観性 ・積極性/冒険心


1、     薬局・薬剤師
薬局は全国に58000
医薬分業は患者にメリットがあるのか院内処方のほうが安い
薬局にはいろいろな形がある健康サポート薬局(2025年に1万店?)
薬局は儲かるのか
医薬品は医療用とOTCがある
薬局薬剤師と登録販売者の違い
薬剤師になる道は厳しい
2、     薬代の明細の見方
薬代(調剤報酬)の流れ
医療費の自己負担割合は、年代、所得で異なる
薬学管理料
3、     かかりつけ薬剤師
かかりつけ薬剤師は何をしてくれるのか…薬を一元管理して服薬指導医療関係者との連携
                    24時間対応 在宅対応
かかりつけ薬剤師になるための条件  患者はかかりつけ薬剤師を一人しか選べない
4、     後発品市場(ジェネリック)
特許期間が切れれば発売できるGE 少ないコストと短い研究開発期間 薬の値段が安い オーソライズドジェネリック(AG)は主役になれるか
5、     セルフメディケーション税制
セルフメディケーション税制とは何か
対象項目 医療用から転用された市販薬  対象金額 1万2千円を超えた部分 上限8万8千円
申告できる人 健康診断、予防接種などを受けている人
対象の医薬品にはマークがある
  医療費控除とどちらの税制を利用したらよいか…超えた分の額が大きい方を選ぶ

★国民医療費は65歳以上で6割占める
★薬局の機能が明確になる…①地域密着型薬局 ②高度薬学管理型薬局 ③通常の薬局
来は薬局に行かずに薬がもらえる
★生活圏内(中学校区)における地域拠点型薬局の考え方



【まとめ】
   薬局は地域包括システムの拠点としてのサービスを提供していく施設へと変わる。モノからヒトへと業務がシフトする。
   薬剤師の仕事の半分はAIにとって代わるともいわれている。薬剤師の資格だけではなく、専門的なスキルやサービスが求められる。
   患者は、医師や薬剤師に頼るのではなく、自ら病気や治療についての専門的な知識を身につけ、医師や医療従事者と連携して病気をなおす姿勢が重要である。
つまり、それは「賢い患者」になるということである。
  参考「賢い患者」岩波新書 山口郁子著 2018年
6、感想など
3年ほど前、風邪をこじらせて内科医院にかかった時、数種類の薬を大量に出されて「こんなに薬を飲むんだ。恐ろしい!」と服薬するのに抵抗を感じた経験があります。(全部飲めませんでした。)
「日本人は薬を飲み過ぎているのではないか?」と常日頃思ってはいても、薬にあまり縁がないのでどこか他人事で過ごしてきました。
今日の「薬局での知らない世界」と題した斎藤さんのお話は、本当に勉強になりました。
専門家ならではの詳しい内容で、処方箋を持ってどこの薬局に行くかによって薬代が異なるとか、驚くことばかりでした。調剤薬局にも色々なカタチがあり、門前薬局や健康サポート機能薬局などという名称は初耳でした。
『医薬分業は患者にメリットがあるのか』の話は、特に興味深かったです。メリットを考えて薬局を選ぶ時代なんだと知りました。
ジェネリック医薬品についても知らなかったことばかりで、もっと賢くならなければと思いました。
年齢を重ねればお世話になる『薬』や『薬局』について、受け身であってはならないと思いましたが自分が「賢い患者」になるのも難しいように感じました。
(本間 雅子さん記録)