2024年3月17日日曜日

 

「東日本大震災の経験を通して「食」を考える」

 

【日時】2024316日(土)1000分~1130
【場所】池ビズ4階・ 地域活動交流センター会議室
【講師紹介】  株式会社フード・リンク代表取締役 有田 俊夫

 

 



【受講者の感想】
女性Aさん
 今日は昨年もお話してくださった株式会社フード・リンク代表取締役有田氏の東日本大震災の経験を通して「食」を考えるというお話でした。

   人手不足が言われる昨今ですが、それと同時に冷凍冷蔵の技術が上がり、大規模施設で集中調理を行い完全調理品を病院や福祉施設等に配送する事が可能となりました。結果、病院や福祉施設で自前の調理施設を持たなくても食事が提供できるようになりつつあります。
   ただ、問題点として災害時に学校病院は指定避難所なので、調理場を持たないという事ができるかという事だそうです。
   日本は災害が多い国なので、他国では無くなった公衆電話もある程度は駅等にはありますし、学校にあるプールも非常時には必要ですね。ただ調理場があっても東日本大震災の時は混乱状態の中、調理場は使用禁止となっていたところもあったそうです。その為自衛隊員が屋外で調理したそうです。非常時に調理場を使う事を想定したマニュアルも必要と思いました。
   被災時に株式会社フード・バンクでは、全国から物資や調理品が届き、震災前と同様に病院や福祉施設に欠食する事なく食事を提供する事ができたそうです。この事に本当に驚きました。今までの人と人の繋がりがあってこそと思いました。
   各家庭でも水や食料、カセットコンロの備蓄も必要です。水は一人12×5日~7日分、食料も同じ日数分賞味期限に気をつけながら再度確認します。
   今日は東日本大震災を経験された貴重なお話をありがとうございました。

 男性Bさん
   講師の有田さんは、前回ここで講演したことがキッカケで講演することが多くなったとのこと。この講演会が役立ったのは嬉しい限りです。これからも、そのような発信の場になれたら良いなぁと夢を持った次第です。
   お話では、東日本大震災での病院食がどんな状態であったかの報告がありました。かつては病院や学校で作られていた食事が、人手不足でセントラルキッチンになり、さらに冷凍技術の進化で、更に省力化が進んだ。この為、被災地では、現場で食事を手当てすることが難しくなった。また行政の縦割りや平等主義の行き過ぎで、例えば必要とする人数が10人いて、9人分の食糧しかない場合、均等に分けられないので受け取りを拒否。また学校にある調理施設を救援に来た自衛隊に使わせてもらえないので屋外での炊き出しを行ったなどニュースでは伝わってこない事実に接し、どうすべきなのか考えさせられました。
   話の本題から外れますが、今まで有田さんが全国を飛び回った様子がGoogleマップの履歴で記録されることを知りました。

 男性Cさん

   有田さんの病院食の講演パート2を聞かせてもらいました。
   311 の震災の後、同業の応援やらで活躍されたようです。大変でしたね。災害支援の場合、分配で公平を考えると物を送った場合は難しく、結局お金が一番いいという話は、非常に参考になりました。
   また行政は縦割りで融通が利かないという話は、どう改善していいかですね。政治で解決するしかないでしょうが、そんな話を選挙公約にして当選できるほど、日本の社会は成熟していないと思いました。
   また病院給食業界は大変厳しく、保険だけでは提供できず、病院側が食費の赤字を被っているという話は考えさせられますね。
   いろいろ貴重な話をありがとうございました。


 男性Dさん

   今回は以前に病院食のシステムを講義頂いた(株)フード・リンク代表取締役の有田俊夫氏に『東日本大震災の経験「食」を考える』と題し、大震災後の被災地での食の支援を通じて経験した実状や課題について語って頂きました。
   前回のおさらいで、病院食の作業員調理人の人手不足によって、人員不足人対応した食事提供方式へと変化していっている。自前で下処理から全て行う方式は困難となり、冷凍技術の格段の進歩や調理器具や運搬器具の進化と共に提供方式はニュークックテルという「完全調理品」の提供で、病院に厨房を作らない所も出てきた。
   病院食のシステムは人手不足を補完する手段として有効であった。しかしながら、2011年東日本大震災で'みやぎセントラルキッチン'で実際に体験し、知ったことで新たな課題も見えてきたとのこと。病院は、災害時の拠点として重要な役割を果たすこととなるが、調理しない病院や厨房を持たない病院は、自ら食の提供は出来ずに災害時の拠点として機能しない状況となった。
   ライフラインが切れている中で、16,500食を製造していたみやぎセントラルキッチンでは、事後5日分の食事の提供が可能であった。(翌日分は配達済、翌々日と3日目は調理済み、4日目SK備蓄、5日目CK備蓄)5日分の食事の提供が可能なことから、若干の優位性は感じられる。
   被災地の実態として、22日間は物流は動かず、殆どのスーパーは2030日間は開かない。又、想定外の問題もあり、例えば、100名いる避難所へ90個のりんごの提供は全員へ配れないのでNG、バナナの差し入れは生ものなのでNG、学校の厨房施設は行政の管轄外(教育委員会)なので使用出来ない、支援物資や食事の提供は長蛇の列で並ぶのが困難な高齢者は諦めてしまうといった避難所運営の問題。又、食を受け入れる基本ルールが作られていない。例えば、糖尿病の方にアンパンの配布や弁当の常温での長時間放置等、避難所で健康悪化となる要因が散見される。
   そもそも厨房がない施設が今後益々増えていく可能性があり、人員不足への合理的なシステムの提供が災害発生時の新たな課題として浮上した。
   今回のお話しでは、災害時の生きるための水や食事の提供や避難所での食や物資の受け入れルールの問題、仮設住宅住まいの長期化による孤独死の問題等が認識されたが、これらの解決には行政や企業を含む地域住民との三位一体の連携ネットワーク作りが不可欠であるとのこと。災害大国日本は震災や水害、火山の噴火等、いつ大災害が発生してもおかしくない状態に置かれており、既に大きな災害を何度となく経験している。これらの経験を無駄にしない努力が必要で、更なる地域連携やネットワークは欠かせない。色々な経験や思いを伝え、仲間を作り、共有し、大きな声として発信することが必要となる。
   今回は大震災の被災地での経験を通してのリアルなお話しであった。被災地支援への対応は経験の蓄積により進化していると思われるが、災害救助法の実効性を担保する、被災者個人が自立出来る公的支援、生存権の保障や被災地が更なる発展には繋がるような復興策が充実していくことを願いたい。災害大国ゆえに。
   本日は貴重な体験をお話頂き、ありがとうございました。

 女性Eさん

   今日の講座は有田俊夫氏の2回目、前回のセントラルキッチンのお話が大変興味深かったので、楽しみにしていました。
   それにしてもGoogleMapの履歴で日本国中でご活躍されていることが分かり、すごい!と驚きました。
   今回は3.11の震災のご経験を通して、「食」の問題点を教えて頂きました。
   縦割行政の弊害や現場と管理者との意識の齟齬など(これは全ての社会問題共通ですね)ご経験されたことを具体的に示してくださり考えさせられました。
   災害時は行政の支援は遅いので個々で備蓄をすること、行政と避難者と住民の連携が重要であること、大いに納得。
   最近都民には「東京防災」「東京くらし防災」の2冊子が配られましたが、しっかり保管、見ていない(多分都民の大多数)。今日のお話を聞いてパラパラと見ただけでも役立ちそうなことが満載。これ、都は配るだけでなく、読んでもらうように努力すべきではなかろうか。
   我々は何をするべきか?備蓄しそして地域とのネットワークづくりですね。避難した後の最初は食!それをどのようにするか、行政を待っていないで私達が行動すること。予めスケジュール調整(人材を把握して役割を決める)が必要。
   折角教えて頂いたのですから、一歩でも行動をおこそうと思います。
   有田先生、ありがとうございました。


 女性Fさん

   有田さんのお話は、現地で経験した人しかわからない現実の話し、問題点等、非常に参考になりました。
日本は、地震大国。30年以内に大きな地震が来ると、言われています。30年以内が、今年かもしれないし、来年かもしれません。のんきな私は、正直、水、ヘッドライト、簡便食少量しか用意していませんでした。大いに反省です。これから、足りないもの、用意します!避難ルートの確保も。
   子供も遠いので、いざという時に人脈、確かに大事ですね。
  「災害は非日常ではなく、日常である」と、いう言葉、強く心にのこりました。
   分かりやすい説明、ありがとうございました。

 女性Gさん

   316() 恒例の「ああそうなんだ倶楽部」セミナーを開催しました。講師は2年ぶり2回目となる()フード・リンク代表取締役の有田俊夫氏。前回の復習の後「東日本大震災の経験『食』を考える」と題し、お話をしていただきました。
   震災が起きると全てのライフラインがストップします。まず水、そして食事。震災時食べ物が調達されても人々に行き渡らせる為には途中行政の色々なしがらみがあるそうで、避難所に調理室があっても行政の管轄の関係で使えなかったり等、未曾有の災害時なのに縦割り行政の為に出来なかった事がたくさんある事を知りました。
   震災後1週間はほぼ食事がない中生きていかないといけない。その為には備蓄が必要。ランニングストックで最低3日分(できれば57日分)食料を用意しておきましょう。水は112ℓ。必要性を理解しながら、さてうちのマンションのどこに置こうか…。しかし1番大切なのは日頃の人付き合い、助け合いだそうです。災害は日常生活の中にある。人づくりが災害時を救います。