2022年9月21日水曜日

 

仏教界の新潮流
〜社会にかかわる僧侶たち〜

 

 

【日時】2022917日(土)1010分~1140
【場所】池ビズ5階 美術室+Zoom
【講師紹介】 大正大学地域構想研究所研究員  小川 有閑

 



【受講者の感想】
男性Aさん
 今回は、豊島区、豊島区地域活動交流センターとNPO法人としまNPO推進協議会の共催による地域交流活動「地域活動体験ツアー」の一環でああそうなんだ倶楽部の定例セミナーを行いました。「仏教会の新潮流〜社会にかかわる僧侶たち〜」と題して、大正大学地域構想研究所の小川有閑氏に講演頂きました。
  地域資源としてお寺を地域包括ケアとして宗派を超えて有効活用している若手僧侶たちの活動を活動の背景を含めて具体的にお話し頂きました。根底にはイエ制度の崩壊、檀家制度の危機、寺離れや過疎化によってお寺の存続危機がある。このような中で、全国的に自然災害が多発や貧困や自死等、変動する社会にあって、仏教や寺院の果たす役割、苦悩に寄り添い解決の手立てとなるのが本来の仏教(僧侶)ではないか。このような「使命感」で若手僧侶が社会の変化に対応し、仏教の社会参加に取り組んだ。(仏教の社会参加の日本での認知は
2000年頃とのこと)


具体的には
■人生相談
お坊さんが答える
Q/Aサイト「hasunoha2012年スタート
■自殺対策(自殺予防•自死遺族支援)

2007
年対策に取組む僧侶の会発足
活動
:手紙/集い/追悼法要
■貧困問題

2009
年ひとさじの会
炊き出し(月2回)路上生活者葬送支援
■2014
年おてらおやつクラブが発足
お供え
お裾分け支援団体手渡し•送付子供•保護者
この循環サイクルがグッドデザイン賞受賞したとのこと。

■介護者ケア
介護者カフェの普及推進や介護者サロンで思いを分かち合う

■災害支援
帰宅困難者支援、復興支援活動

■終末期の精神的ケア
心のケアを行う、臨床宗教師、臨床仏教師という資格制度ができた、

■グリーフケア(死別の悲嘆ケア)
病院との連携が必要となるが日本においては中々認知されない。

まとめとして、苦を取り除く、和らげるかが仏教の課題、他者の苦しみを我事とする、正に真価が問われていると結んだ。
 日本にはコンビニより多くの寺院が存在する。寺院の存在感や存在意義を高める為にも地域資源として有効活用する取組みは非常に意義のあることであり、日常に気軽に寺の門をくぐれるような地域社会へ浸透していくことを期待したいと思います。小川先生、頑張って下さい。大変有意義なお話しを有難うございました。


 

女性Bさん
 講師は大正大学地域構想研究所主幹研究員の小川有閑氏。浄土宗の僧侶でもあります。生きづらい世の中で、僧侶として何ができるのか…。 社会貢献活動を行っている若手(3040)の僧侶の活動を紹介していただきました。
 数年前、ネット業界の方と僧侶とで始めたお悩み相談サイト「
hasunoha」は一時期相談をストップしなければならなくなるほどブームになりました。私も一時期よく見ていました。お坊さんの多岐にわたる回答に、なるほどと納得したり笑ったり。
 自死
(悩み)、貧困、介護、終末期ケア、死別の悲願ケアに取り組んでいらして、お坊さんが炊き出しをやっている写真は驚きでした。生きているとどんな人にも悩みがあります。それが死を考えさせるほどの強烈な悩みの時もあります。お話を聞き、お坊さんに悩みを聞いてもらうのはとても理にかなった解決方法のひとつだと思いました。

女性
Cさん

 僧侶である小川講師のお話、今若手僧侶たちが宗派を超えてこれからの宗教のあり方を作っていこうとしているとのこと、色々な例がとても興味深く思いました。

2007年には、自死自殺に向き合う僧侶の会
2009
年には、ひとさじの会

他にも貧困や介護者のケアなど社会問題の多くを宗教家が手助けしていることを知りました。震災以降私たちもボランティア活動へのハードルが低くなって色々な活動に参加しやすくなったと思っています。より良い社会になるため少しでも参加していきたいです。
(
コンビニのファミリーマートはファミマフードドライブとして食料品の寄付を受け付けています。ファミマフードドライブで検索すると店舗が見つかります。青色の箱に缶詰やお米麺類お菓子などを入れるだけです)

女性
Dさん

  小川有閑先生のお話にもありましたが、私にとってお寺の僧侶はかなり遠い存在です。お葬式や法事の時だけお世話になり、日常社会生活では関わることがなく別世界の人です。僧侶の皆様が、積極的に社会に関わっていることを具体的に知ることができ、とても良かったです。
  「仏教者(宗教者)の社会的責任」という言葉は、強いインパクトがありました。小川先生のような社会と真摯に向き合っている若い僧侶がいる事は、とても心強いです。しかも、宗派を超えた超宗派の社会的貢献活動と知り驚きました。
   コロナ禍で誰もが生きづらい世の中になってしまいました。小川先生達僧侶の活動は、悩み、生きる苦しみを抱える人々の大きな力になっていくと感じました。

  大変貴重なお話をありがとうございました。


男性Eさん
   小川さんの講演、楽しく拝聴しました。ありがとうございました。

   経歴も普通の住職とは違っているからこそ、問題意識を持てるんだろうと思います。社会貢献活動を積極的にされていますね。非常に立派だと思います。臨床宗教師までされており、終末期のスピリチュアルケアもされているのは、素晴らしいですね。

 でも、檀家の法事などおろそかにされていないと思いますが、お寺の経営の方は大丈夫なのでしょうか。余計なお世話かも知れませんが、寺院内墓地があれば檀家は離れにくいと思います。多磨墓地を寺院内墓地としているだけでは、先々どうなるかと、ちょっと気になりました。