2022年3月21日月曜日

 

水の不思議を覗いてみよう



【日時】2022319日(土)1000分~1200
【場所】池ビズ4階 地域活動交流センター会議室+Zoom
【講師紹介】 お茶の水女子大学 名誉教授 冨永 靖徳氏

 


 

【受講者の感想】

女性Aさん

   今回も水の話から騙されない為の理科、そして日本語の特性ととても興味深い話ばかりであっという間の2時間でした。
   水の特性から水の循環、水が「社会的公共財」であることなど、水道事業の運営を民間企業へ委託する自治体が出てきている事など化学から生活に結びついた講演で大変勉強になりました。

  水が言葉を理解する訳がないのに、道徳で取り上げられるとは!何処かでストップがかからなかったという事が本当に残念です。

   また、ニセ科学を使って悪徳業者が手を変え品を変えて騙そうとしてくるので、立ち止まって考えなくてはいけないと思いました。
(コロナ禍では空間除菌の製品が売られていて、その後消費者庁の指導が入っていました)
   日本語の助詞「は」は、その後の文章の主題を表すという先生のお考えを聞き、今まで学校で習っていた文法とは違ってわかりやすく腑に落ちました。

   何人かの外国人の友人も、日本語を話している時は性格が変わると言いますので、日本語の特性を再認識したいと思いました。前回教えていただいた「日本語が世界を平和にするこれだけの理由」も大変興味深く拝読しました。

   冨永先生が今回もたくさんの資料を用意してくださり、感謝しております。家族にも今日の内容を伝えます。次回も是非先生のお話を伺いたいと思います。どうもありがとうございました。


女性Bさん
   19日の冨永先生のお話はとても興味深いものでした。
    海はなぜ青く見えるか、軽水だから。重水は透明である、重水
D2ODなんて元素あった??恥を忍んで伺ったところ、丁寧に説明してくださいました。実はそれでも分からなかった(後で調べるフォルダに入れました) でも自分の理解できる範囲で、とても役に立つお話が満載でした。体に良い水にはすっかり騙されていました。
    日本のエネルギー事情は6割以上が化石燃料であること、地熱発電で全て賄えること、えっそうなんだ!!地熱発電にシフトする為には原発やダムに反対するより現在の発電に関わる官僚たちに地熱発電関連の天下り先をつくること、目から鱗の現実的なご意見、その通りですね、感服。

   予め「日本語を世界の標準語に」とのご意見を読んだ時に時代錯誤だと思いました。何しろ学生時代、アメリカが日本を占領したときに英語を押し付ければよかったのに、そうすれば英語でこんなに苦労しなかったと思い、フランス語を選択してしまったときに性別による動詞、形容詞の変化、動詞の活用の複雑さに、なんと英語の簡単なことかと思い、今
EU圏や自国内に複数言語を持つ国々では若者は英語を共通語として使っているのに、と思っていたからです。
   日本語は相手を思いやる言語、英語は自分を主張する言語、なるほどそうですね、考えてみます。
ネットにある先生の載っているサイトはついて行けそうもありません()が、またぜひ先生の多岐に渡る博識のお話を伺いたいです。
   ありがとうございました


男性Cさん
 
水の熱容量が大きいので海水温が一定に保たれ地球の気温も安定、また水の誘電率は高いので体に必要な栄養分を溶かして体の隅々に届ける一方、細胞膜は溶かすことがないそうです。
   また水は循環するので資源ではない。水を資源扱いすると高価格商品になってしまう。水道局の民営化は、そうなる恐れがある。

   2019
年日本の電源構成は石炭が27.8%LNG36.0%に対し地熱発電は0.2%だった。日本に必要な電力量は、理論上地熱発電で100%賄えるそうです。そうでないのは、制度や利権によるとのこと。
   水は反磁性なので、一時期流行った磁化水は、あり得ない。本当かなと思ったら整合性を確認する。そのためにも、理科と日本語教育は大切とのことでした。

   水が、こんなにも奥深い存在だったことに驚かされました。


 
男性Dさん

   冨永先生に2回目の講演をお願いしました。今回は前回より難しかったかも知れませんが、先生の真意は読み取れたのではと思いました。
   最初に、氷が浮いたコップの底の温度を問う場面でしたが、皆さん昔習った理科を大分忘れているようでした。その後、水はなぜ青いかの解説がありましたが、ここは分かりにくかったと思います。

   水環境保全のところで、ダムを完全否定するという、国交省の存在意義を問うという、勇ましさには敬服します。環境省にも国立公園をどう生かすか、いろいろと提言されていました。こういう先輩(人生の)の頑張りを見ると、事なかれで過ごしていることが恥ずかしくなります。

   どうも有り難うございました。


女性
Eさん
  
本日の題目は「水の不思議について覗いてみよう」。最初は氷水の映像。グラスの底は何度? 答えは4度。 水は4°Cで密度が最大になるそうで、氷は構造がスカスカだから水に浮き、氷の下は4°Cだから池が凍っても鯉は泳いでいられるそうです。空がなぜ青いのか。海はなぜ青いのか。なぜ深い海はより青いのか等、水の不思議の講座の後水循環のお話がありました。
   水は資源ではなく人と同じ生態系の一員です。そして魔法の水は存在しないし日本の水道水は世界一安全な水です。人はこの地球で生きていく為に水と上手にお付き合いする事が大切です。

男性
Fさん
  
昨年 11月に「環境リテラシーと日本語教育」と題して、自然への感謝と畏怖の気持ちを持つ、人類も自然環境の中の一つとして循環させて行く、水資源ではなく水循環と考えることが必要、地熱発電で原発は無くせる等、自分には初めてで新鮮な切り口のお話を聞き、大変勉強になりました。
   今回、冨永先生の二回目の講義をして頂けるとのことで大変楽しみにしておりました。今回は「水の不思議を覗いてみよう」と題して、水の水素結合という特別な結合が水の特異性の原因であることや海が青いのは電子遷移によるものではなく、赤外領域の分子振動の結合が可視光領域の赤~橙色の振動数に重なるので、これによる吸収だとのこと。そして水循環、水資源と水循環等について、その筋道や論理を素人にも分かるように(但し、用語は素人にはとても難しい)丁寧に教えて頂きました。

   前回の話とも併せて、改めて水は水資源(商品)ではなく水循環(コモン)と考えることで「整備と共有と共生」が大切かという発想になるということを
学びました。又、脱原発と地熱発電が進まない現状は、電源三法や国立公園法による利害関係が阻害要因となっていることから、「地熱発電」も水循環で成り立っていることへの理解を深めて行くことが大切であると強く思いました。原発は自然の循環からはみ出している。原発廃棄物は処分ではなく(処分など出来ない)管理であると言う先生の教えに共感です。
   最後に日本語の基本文は主語がいらないという特性が日本語の文化と主語必須の英語の文化の違いと深い関係にあるとの指摘に納得です。日本語は思いやり(こころくばり)・共和・共感、協働・共有に対して、英語は、自己主張(上から目線・神様の視点)対抗・対立、競争・抗争という特性の違いがある。英語の特性を理解し、日本語を再認識することがとても大切なことであると理解しました。目から鱗の貴重な講義をして頂きました冨永先生に感謝します。有難うございました。