2023年2月19日日曜日

 

古民家の魅力

 

 

【日時】2023218日(土)1000分~1145
【場所】池ビズ4階・ 地域活動交流センター会議室
【講師紹介】   株式会社 降幡設計東京事務所
          代表取締役 中村未希  

 

 

【受講者の感想】
女性Aさん
 今日は一級建築士の中村先生に「古民家の魅力」についてお話いただきました。
   建物好き、古民家好きでしたのでとても楽しみにしていました。
   古民家をもう一度住みやすくする為に家を持ち上げ、土台をコンクリートで打ち、柱や梁を生かせるところは生かしながら作りあげていくところを写真で見せていただき、とても大変な手間と時間がかかっていると思いました。施主さんとの打ち合わせもさることながら、現場に行って、家を解体してみないとわからない部分も多いと思います。

職人さんとのコミュニケーショもとても大切だと思いました。新築と変わらないぐらいのお金がかかるにも関わらず、古民家を再生させようと思うのは家に対しての思い出が強いためと思います。
   目白の草苑幼稚園も新築せずに元の幼稚園の木造をいかして再生させてやはり新築と同じくらいお金はかかったそうですが、今でも子ども達は自分達が通園していた時と変わらず懐かしい園舎へ遊びにいくので新築せずに本当に良かったとありがたく思っています。木造建築は良いですね。
   子どもの頃近所の家が曳屋さんと聞いていて、どんな風に家を曳くのかと思っていましたが、今日思いがけずに虎ノ門の砂場の曳家の現場写真を見ることができ、嬉しく思いました。 (文京区千駄木の旧安田楠雄邸庭園は大正時代の建築でこれからちょうどお庭の枝垂れ桜も素晴らしいのでお勧めです。開園日は要確認ですが)
   中村先生、貴重なお話をどうもありがとうございました。

 男性Bさん
   中村さんに古民家の移設や修復について、写真を見ながら説明してもらいました。
   依頼者の気持ちを大切にしながら仕事をされているなあと感じました。基礎をやり替えるのに、全体を浮かしてから下を掘って型枠を組んで鉄筋を張ってコンクリーを打つという、大変な作業をされているのは頭が下がります。
   土壁部分はそのままの修復は難しく、グラスウールの断熱材に石膏ボードを張って、表面はクロス張りか薄く漆喰を塗るそうです。 しかし、驚いたのが虎ノ門の交差点角の「砂場」の移設です。たった4mでも、場所が場所だけによく出来たと感心します。機材の搬入搬出はどうやったのか聞きたいくらいです。昼間は UNICすら駐められない場所ですもんね。費用も16千万というのも納得です。
   いろいろ貴重なお話、ありがとうございました。

女性Cさん
  今迄、ヨーロッパへ旅行に行くと、歴史のある古い建物がいつまでもあっていいなと思っていました。一方、日本は、例えば、日本橋、大手町、銀座とか、随分様変わりしています。昔のまま残せたらいいのにと、思っていましたが、経費や、維持費、修復代で実現出来ないのですね。
   でも、本当に由緒ある歴史的建造物は、国が積極的に残すよう、経費面とか、取組んで欲しいなと思いました。

男性Dさん
  今回は、倶楽部メンバーの紹介で降幡設計東京事務所代表取締役の中村未希子氏をお招きし、実際に手掛けている古民家の改修にまつわるお話しを現場の写真を観ながら解説頂きました。
   中村氏と古民家との出会いは、20代の時に暮らした松本市で、縁あってはたらき始めた設計事務所が古民家の再生のパイオニアであったことからとのこと。そこから仕事を通じて数百年の寿命を持つ木造建築の木組みやデザイン等の魅力に惹かれ、古民家との素晴らしい出会いに感動する毎日であったとのことでした。
   古民家の改修は、出来る限り原型を維持しつつも、そこに暮らしている方の痛みや悩みを解決するような気持ちで設計し無理の無い範囲で暮らしやすい間取りに変えていくことを心がけているとのこと。
   しかしながら、実際にはふたを開けてみないと劣化状況は分からず、特に足元の基礎部分は傷みがあるところが多く密に現場監理や工務店との打ち合わせを必要とし、常に苦労の連続であったと語っておりました。 家も人間と同様に加齢によって色んなところが痛んで来ます。出来るだけ健康寿命を伸ばし、長生きするようにケアすることは熱意と愛情がないと出来ないと思います。中村先生の石と木と紙で家造りをしてきた先人たちの技術と知恵をリスペクトし、この世界に誇れる文化を後世に残したいという思いが感じられるお話しでした。残念ながら、宮大工と同じく古民家を改修できる職人さんも少なくなってきていること、又、改修にはかなりの費用が掛かるといったことから将来的には懸念される。
   現代の建物は建材メーカーの製品を組み合わせて容易に造ることが可能ですが、職人の手仕事で造られる家が、どれほど耐久性があり、且つ豊かであるか、もう少し、古きを訪ね新しきを知ることが大事ではないかと問いてます。
   環境保護や災害対策、エネルギー対策等に注力し、耐熱、耐震、省エネ等がクローズアップされている中、伝統的な日本建築の保護保全にも目を向けていくことも併せて必要なことと感じた次第です。
   中村先生、貴重なお話しをありがとうございました。



女性Eさん
  古民家のリフォームについて中村さんからお話を伺いました。
  100年を超える古民家をどうやって解体するのかと思っていましたが、レールを噛まして建物を持上げ、土台や基礎を現代の技術を使って作りなおすと聞いて驚きました。
   使える木材を最大限再利用しますが費用は新築が1棟建つぐらいかかると聞きました。古い物を受け継ぐのも大変なんだなと思いました。
   昔のままリフォームするのでは無く、現代にマッチするデザインにアレンジし、住み続ける人のために利便性も提供するのは大変な事だと思いました。見せて頂いた建物は和モダンのホテルか、レストランのように生まれ代わっていました。ぜひ実物を見に行きたいと思いました。

男性Fさん
  「足元の痛みが取れると、病気が完治したように健康体に戻り、急に、11本の柱や梁がこれからまた長生きしてくれようとします」という講師のレジメを見て、どんな話になるのか楽しみでした。
   まず生活感あふれる室内や基礎の部分の写真が紹介され、作りの良さや、水が上がってきて木が腐りだしているなどが指摘された後、改修後の写真が紹介されました。日本旅館のように生まれ変わっている写真に驚きました。
   これは本来数百年の寿命のある家だからこそ、出来ることなのだそうです。曲がった梁を上手に組み合わせて家を建てるなど職人技で作られた家は、耐久性も優れるそうです。新しいものほど進化していると思っていた私には、衝撃でした。そして古民家再生のお仕事が素晴らしいことだと多くの日本人が気づいて欲しいと思うようになりました。