病院給食について
【日時】2022年4月16日(土)10時00分~11時30分
【場所】池ビズ4階 地域活動交流センター会議室+Zoom
【講師紹介】 株式会社フード・リンク代表取締役 有田 俊夫 氏
【受講者の感想】
男性Aさん
病院給食では、患者別に対応するので、病気に合わせた食事提供、細分化して食べやすくするとともに本来の形を残すように加工など、普通食に比べ時間がかかる。また朝昼晩各食事提供は5時間前から準備するため夕食以外の勤務時間は大変になるため職員確保が大変なようでした。
そんな時、人からロボットへの切り替えればと単純に考えていましたが、チルド活用で週休2日制が実現できたとのこと。また完全食料品の活用で生産性が向上したとのことでした。また食事提供を「冷温蔵配膳車」や「再加熱カート」を活用することで働き方改革になっているようです。
矢野経済研究所の2019年調べでは、給食全体で4兆7490億円の市場があり、病院給食は、その内23.9%を占めていました。その他は事業所対面28.8%、高齢者施設向け20.8%、弁当給食12.6%、学校給食10.2%、幼稚園・保育所3.7%という状態です。コロナで学校給食が実施できなくなって牛乳消費が大幅に落ち込むニュースを聞いていたので、学校給食の割合はもっと多くの割合を占めているものだと思っていました。
女性Bさん
20代の頃左脚の前十字靭帯を切断してしまい、3ヶ月整形外科に入院していたので、今回のテーマは懐かしい入院生活を思い出しながらとても興味深く拝聴しました。以前では考えられなかったタッチパネルで献立を選ぶ事ができるというのは画期的だと思いました。
高校生の時に盲腸で入院した時は夕食時間が17:00で翌朝8:00の朝食まで同室の方々と口々にお腹が空いて仕方がないと言っていた事に比べたら隔世の感があります。
また、ホテルの宴会などでは事前にステーキを100枚焼いて冷凍して解凍する事で同時に提供できるとは思ってもいませんでした。冷凍技術が発達してホテルで使用しても遜色無い食事が提供できる事に驚きました。
病院や介護施設でこのシステムが広がっていけば、色々な問題が解決できそうです。
今回はとても興味深いお話をありがとうございました。
女性Cさん
病院給食に真摯に取り組んでいらっしゃる有田さんの姿勢を感じました。
病院食が、美味しくないのは、食事時間迄に時間を保つ事が難しい事。クックサーブからクックチルに代わったのは、働き方改革だったのですね。
私は、料理を作る事が好きなので、出来合い、完調品を買った事がありませんでした。でも、今は、衛生面、味付けも優れているとかーーー。たまには、買ってみようかなと、思いました。
これからも、健康の為にバランスのとれた食事作りをしようと、改めて思いました。
色々教えて頂きありがとうございました。
女性Dさん
今回の講師は、私の高校の関東同窓会会長であり(株)フード・リンク代表取締役社長の有田俊夫氏。「病院給食について」お話していただきました。
病院食=美味しくないというイメージがあります。美味しく食べる1番の条件は「暖かいものは暖かく、冷たいものは冷たく食べる」です。病院食は病気に合わせた特別食に食べる力に合わせた加工食がプラスされるのでたくさんの種類を作らなくてはいけません。それが1日3食となると作る側は大変で、人材確保が課題となります。負担を減らす為に前もって調理し、冷却→再加熱で提供する3種の方式のお話の後、配膳車が電子レンジの役割を果たす最新の配膳車のお話がありました。
完全調理品のお話の後、これらの方式を使えば将来一般家庭でも台所が無い家が出てくるかもと。
しかし、日本には食育基本法があり、その中には伝統的な食文化の継承があります。お腹が痛い時は雑炊を食べる等母から子に継承される知識もあります。食べる事は生きていくうえで最重要な事です。 主婦である私にとって考えさせられる内容でした。
男性Eさん
有田さんから病院給食についての丁寧な講義がありました。
かつては、病院給食は医療行為となっていため、保険給付対象でやってきたが、2006年に大きな見直しがあり、厳しい条件が付いた。現在、給食業者への外注が約半分(業務委託は7割を超える)であるが、病院/業者とも経済的/人的に大変厳しい状況であるようだ。特に、人の手配(給食業者の栄養士)が大変らしい。調理師も朝食の準備で4時に出勤とかだと、人が集まらないようである。
説明にあったクックチルなどの院外調理を活用するなどの対策が必要らしい。どうも、制度疲労を起こしている気がする。これらのしわ寄せが現場にきているのだと感じました。
女性Fさん
病院給食のお話し?ん~面白いのかしらん。と思っていたのですが、大変面白かったです。
最初はタッチパネルで食事選択という病院食では画期的なシステムの話!詳しく聞きたかったのですが、聞きそびれて残念でした。
あきたセントラルキッチンのお話は、これからの超高齢社会には地域ごとに必要になる施設だと思いました。
病院の食事のお話で思い出しました。10年以上前に入院していた時に会社からメールで、食事はどうかと聞かれ「大変美味しい」と答えたら職場で彼女は日頃どんな食事しているんだと話題になっていたことを。その時の病院食は、温かいものは温かく冷たいものは冷たい状態で同じトレーに載っていて驚きました。今はチルド保存されたものを盛り付けてカートに入れ、それから加熱、そのまま配膳!調理作業者の作業時間は短縮され、休みもきちんととれるようになったとのこと。どんどん進化しているのですね。
完全調理品、これも女性が働くことが一般的になった今、家庭にもどんどん浸透していくのでしょうね。
合理化と地産地消、うまく摺り合わせて行けるといいですね。そのあたりは発注システムでしょうか。またお話が伺えると嬉しいです。
有田社長、興味深いお話をありがとうございました。
女性Gさん
「ソフト開発が専門です」と言われた有田さんのお話は、毎日の食事やそれを準備する側の変化について考えさせられるものでした。
北秋田市の「あきたセントラルキッチン」の食事提供システムは、最先端のようで驚きでした。またクックサーブ・クックチル・ニュークックチル方式など食事提供方式の違いなども初めて聞く事で、とても興味深かったです。
病院給食は、一人ひとりの病気に合わせた食事提供が前提なので、全員同じものが配膳される学校給食とは全く異なっています。これを朝昼晩3回提供するのは、本当に大変な仕事だと改めて思いました。「働き方改革」で施設給食がどんどん進化・変化していく訳が納得できました。
「健康な食生活の実現」にはちょっと遠い我が家のテキトーな食事にも、「完全調理品」が並ぶ日が来ると確信しました。お忙しい中お話いただきありがとうございました。
男性Hさん
今回は、「病院給食について」(株)フード・リンク代表取締役の有田俊夫氏を講師に迎え、その取り組みを講演頂いた。健康で入院経験など無い方は病院給食等を普段気にすることはないと思われますが、今回のお話を聞かせて頂き、切り口は病院給食であったが、日常の食全般に繋がる内容であると感じました。
病院給食は、患者さんの数だけ個人対応があるとのこと。ゆえに、患者さんの数分の食事を三食、 365日提供する必要があり、手間が掛かるし、準備から調理・盛付けし、患者さんに提供する頃には冷めてしまう。だから適温給食とならず、病院給食は誰もが不味いと言う。
従来は内製化(クックサーブ方式)していたが、労働集約型の体制で 、長時間労働で365日休めず、人手も掛かるし、コストアップにもなってしまう。人手不足と相まって、働き方改革でこの労働形態は成り立たなくなった。現在は、従来のクックサーブ方式からクックチル方式(予め7週間分を1週間程度で調理し、冷却・チルド保管、再加熱し、提供する方式)とすることで働き方改革を実現しているとのこと。
これは、 1964年の東京オリンピックを契機に急速に進歩を遂げた冷凍食品の対象拡充と冷凍・チルド技術の進歩、冷却機器や冷温蔵配膳車といった設備機器の進化があり、これを一連のサプライチェーンとして運営するシステム(これが有田俊夫氏の得意とする食事提供システム)で実現している。これは今後高齢化社会において、高齢者家庭への宅配等にも有効であり、良い意味で家庭から厨房を無くすことが出来ると考える。
但し、懸念すべきは、どうしても物の移動は避けられないことから、物流システムがついて行けるかが課題であると考える。
今回は自分達の将来の生活を想像した時に、衣食住の食の分野を考えて見るきっかけにもなりました。大変勉強になりました。美味しい病院食が食べられるようになると、ひょっとしたら退院したくないという患者さんが増えるかも知れませんね。有田さん、貴重なお話を有難うございました。
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