現代俳句の鑑賞法
【日時】2022年8月20日(土)10時10分~11時40分
【場所】池ビズ4階 地域活動交流センター会議室+Zoom
【講師紹介】 俳句誌「陸」編集長 大石 雄鬼 氏
【受講者の感想】
男性Aさん
今回はああそうなんだ倶楽部メンバーを中心に大半が初心者で構成している「ひよ子句会」の拙い句を毎回選評して頂いている大石雄鬼先生に「現代俳句の鑑賞法」と題して、一般公募のセミナーとしてご教授頂きました。
素人向きに、具体的な俳句を事例に何が良いかを6つのポイントから解説して頂きました。 ①しっかりとした描写とテクニック
シンプルな対象に興味を抱かせる言葉とその使い方の素晴らしさを教えてもらいました。
②組み合わせの妙
言葉の組み合わせによって興味の的を際立たせるポイントを教えてもらいました。夏草と車輪(部分をクローズアップ)、乳母車とよこむきに(よこむきがポイント)、ゆるやか(無防備)にと蛍(魂を感じる)で詩として昇華している。
③省略を探す、探さない
霜石を抱き起こす、抱き起こされたのは誰か?(霜石か、作者自身か)解釈の自由、書いてある事がすべてで(後で書いてあることの解釈)曖昧さがあって色々想像できる。
④詩に近づく
頭の中での光景を句に「白い」、水枕の音をガバリと音、蝶堕ちてを戦闘機をイメージ等、詩に近づいている。
⑤凄みのある句
悲しみや心の激しい怒りを俳句にする事ができる。自分の気持ちや言いたいことを違う形で表現することで凄みのある句になっている。
⑥現代の風景、そして自由へ
誰もが思い当たる風景を俳句の世界で発見したり、地下鉄に乗っていてもどこでも季節を感じられる。また、幻想的な風景を自由に心の様子を俳句にする。
以上、具体的な俳句を事例にポイントを解説頂き、なるほどそうなんだと勉強になりました。
最後にひよ子句会にて投句、選句された句の全てについて参加者の選評を聞き、大石先生に選評頂きました。正直なところ、腑に落ちた点も自分の感性と大きく異なると感じる点も多々ありましたが、改めてまだまだ未熟であり、何より作句の量的な経験の少なさを実感しました。感性の違いや語彙の不足等、中々難しいというのが率直な感想ですが、今後も楽しく出来れば良いなと思いました。
女性Bさん
現代俳句の鑑賞方法とひよこ句会の選評を大石先生からいただきました。
例題として解説されるととても納得でした。ひよこ句会のすべての句も解説とより良くなるヒントをいただけてありがたかったです。
俳句は詩であり、ありのままの情景を描写し、575の音に落とし込んでいく事。
作者の感情は入れずに読み手に想像させる事。
原因と結果を並べるのではなく、その状況だけを言葉にした方がいい事。
沢山の事を言わずにシンプルにエッセンスだけを切り取る。
1瞬を切り取る事。
なかなか凡人には理解しがたい講座でした。でもワンランク上の俳句を作るには教えて頂いた事を頭の隅に置きながら挑戦したいと思います。
女性Cさん
俳句は、詩歌である。
発見をどのように表現するか。
答えを避ける。
邪魔な部分を削り、単純化する。
具体的に表現してもいけないし、読み手が想像出来る物は、残さなくてはいけない。
頭をガーンと、蹴られたような気持ちになりました。 俳句って、本当に奥が深いです。
大変有益な講義をありがとうございました。
男性Dさん
大石先生に「現代俳句の鑑賞ポイント」ということで、お話をうかがいました。先生のお話を聞くのは3回目くらいになると思いますが、今回はメンバーの投句への評価が、より具体的な内容だったと思います。ありがとうございました。
先生のお話で俳句はポエムというのは、リズムとか韻など分かる気もしますが、俳句は文学であるというのは、私には難しすぎます。先生の感性にはとても付いてはいけないと感じました。
これからは、自分なりの楽しみ方を見つけて行くつもりです。
男性Eさん
「流れゆく 大根の葉の 早さかな」という高浜虚子の作品を、「しっかりとした描写とテクニック」の事例として紹介されました。また大石先生の、「一瞬を切り取る」や「言われてみれば当然だが、自分では作れない句」「想像ではなく、見たものを表す」そのものだと思いました。
また私たちの作品に関する寸評では、「因果関係、答えとなるものは入れない」「分かりすぎる流れを書くと、作品の広がりが無くなる」とのこと。また虫の名前は漢字で表す。学名はカタカナで表すことが多いのですが、俳句では、コオロギではなく、蟋蟀と表記するそうです。
収穫の多い一日でした。
女性Fさん
毎月選句をしてくださる大石先生の講義ですので、とても楽しみにしていました。
俳句の鑑賞方法では、季語との組み合わせ、省略についてなど先生の解説でより理解が深まりました。俳句を作る時に、季語との関係や原因、結果を説明した句は詩として広がりや面白味がない事など実際に私達が作った句を基にお話しくださるのでとてもわかりやすく思いました。
毎月のひよこ句会での選句も何となくこの句が良いなあからここが良いと思ったなどもっと具体的に選句できるようになりたいと感じました。
過去の自分の俳句を見返してみると、季語とつきすぎている、説明的であるなど欠点がよく見えてもっと精進したいと強く思いました。
俳句を作るようになってからの方が、以前学生時代に勉強した時よりも歳時記の俳句を読むのが好きになり、少しは俳句の世界を楽しむ事ができるようになったのではと感じています。
ひよこ句会に入会してから俳句の世界を教えてくださる大石先生、毎月とりまとめてくださる西川さんに感謝しています。
大石先生、これからもご指導をよろしくお願いします。
女性Gさん
8月20日(土)10時から池ビズ地域活動交流センターにて、ああそうなんだ倶楽部で俳句の指導をしてくださっている俳句誌「陸」編集長の大石雄鬼氏に3度目の講師をお願いし、俳句講座を開催しました。
私達は毎月3句投句し、集まった句の中から自分の句以外を3句選んでます。先生にも選句と総評をお願いしています。
俳句は12語で表現したい事を伝えないといけないので、要らない言葉は全て省かないといけません。自分の思いは書かない事で深みのある句ができ、読み手に句の世界を味わってもらえます。私の句には当たり前の言葉が多いため広がらない句になってしまいます。
先生に添削していただくと、私の句に厚みが出ます。しかしこれを最初から作るのはとても難しい。 まずはたくさん俳句を作ると良いそうです。講座で教えていただいた事を色々考えてしまうと、句ができそうにないですが、一歩ずつ前に進みたいと思います。
女性Hさん
講座の例として掲示された俳句はとても興味深く難しく、説明いただいて腑に落ちるものも多かったです。
講座の後は、私達ひよこ句会の投句の評。大石先生は、優しい雰囲気で穏やかな話し方をされるのですが、内容は的確で厳しい。「いらない」「普通過ぎる」「ただそれだけ」「よくある」「分かりすぎ」「あたりまえ」「俗っぽい」極めつけは「俳句になってない」
私の句には「何回読んでもいいと思えない」、ですよね、単なる材料のメモですから、トホッ!
今回の投句にはスペインの方の参加もありインターナショナルになってきました。
面白かった!
大石先生、お忙しいところ大変ありがたいです。これからもよろしくお願いします。
女性Iさん
「八月の 赤子はいまも 宙を蹴る」 (宇多喜代子)
「霜の墓 抱き起されし とき見たり」 (石田波郷)
大石先生が俳句鑑賞法で提示して下さったこの2句に、深く衝撃を受けました。何十年も前の句なのに俳句の圧倒的な存在感と影響力、次元を超えた奥深さと広がりを感じ、改めて俳句の凄さに感動しました。俳句は詩であり、文学であると。
大石先生の講義から、1回目は「俳句は多作多捨」を、2回目は「引き算の俳句‥‥詰め込み過ぎない、大げさな表現は控える、季語の説明をしない等」を学ばせていただきました。しかし、教えていただいた事が自分の俳句に生かされていないことに気づき猛反省をしております。
今回は、私的には「凡人だからこそ凡人を書かない」を学びました。「誰もが思うような事を改めて表現しない」「一瞬を捉えた写真・絵を描写する」を再確認し次回もチャレンジしたいと思います。
一人一人の俳句にも改善点を明確に教えて下さり、厳しくも温かいご指導でとても勉強になりました。お忙しい中、本当にありがとうございました。
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